障がいのある人と共に考える防災ワークショップ 詳細
日時:平成27年2月1日(日) 10:30~15:30
場所:ラ・プラス青い森 2F カメリア
参加費:500円
参加者:講演会 47名(講師陣除く)、ワークショップ 27名
プログラム:
時間 | 内容 |
10:00 | 開場 |
10:30~10:50 | 主催者あいさつ 共催団体あいさつ 趣旨説明 来賓あいさつ |
10:50~12:00 | 講演「東日本大震災における要援護者支援の実際」 青田由幸氏(NPO法人さぽーとセンターぴあ 代表理事) |
12:00~13:00 | 昼食、休憩、舞台転換 |
13:00~14:20 | ワークショップ クロスロードゲーム |
14:20~14:40 | 休憩 |
14:40~15:20 | 発表とまとめ |
15:20~15:30 | 閉会挨拶 |
主催:自立生活センターPingあおもり
共催:特定非営利活動法人 ピアネット
協力:障害を持つ人の防災企画会議
後援:青森市・社会福祉法人青森市社会福祉協議会・一般財団法人青森県身体障害者福祉協会
青森市民生委員児童委員協議会・青森県保険医協会・特定非営利活動法人青森県防災士会
青森県難病団体等連絡協議会・なみおかSSC
ダウンロード:
チラシ | 開催要項 |
講師、ファシリテーター
青田 由幸 氏 1954年 福島県生まれ。 |
|
鈴木 絹江 氏 NPO法人 ケア・ステーションゆうとぴあ 理事長、障がい者自立生活支援センター福祉のまちづくりの会、全国自立生活センター協議会(JIL)認定ピア・カウンセラー、JIL人権擁護委員 副代表、JILピアカウンセリング 副委員長 |
|
鈴木 匡 氏 1959年7月生まれ。 |
|
今村 登 氏 1964年 長野県生まれ。 |
|
第一部 講演「東日本大震災における要援護者支援の実際」
講師:青田由幸氏(NPO法人さぽーとセンターぴあ 代表理事)
増え続ける震災関連死者
福島県内の東日本大震災、原発事故による直接死、行方不明者数は1828人。それに対し、震災関連死者数は1836人で、直接死を上回った(平成27年1月11日時点)。
これは、地震、津波に原発事故が加わり、ただでさえつらい避難生活がさらに過酷なものになったためで、亡くなった方の多くは高齢者、障がい者である。
原発事故によって避難せざるを得ない状況に
地震、津波だけでは避難しなくてもいい人もたくさんいたが、原発事故のため町に残れず、避難を余儀なくされた。
福島原発20km圏内の人の中には避難回数が8~10回にもなるケースもあった。
避難所に入るためには、事前に「スクリーニング(放射性物質が付着しているかどうかの検査)」を受ける必要があるが、スクリーニング会場が周知されていなかったなど、必要な情報が被災者にうまく伝わっておらず、避難はより困難なものとなった。
避難所の整備が必要
どんな過酷な状況でも3割くらいの高齢者、障がい者は避難せず残る。
残る理由は「避難できる場所が無いから」で避難しないのではなく「避難できない」のである。
福祉避難所がある場合もあるが、大抵は2次避難所であり、まずは一般の避難所に入らなくてはならない。
したがって、まず避難所を充実させることが求められる。この作業は市民主導でやるべきである。行政はそこまでやる余裕が無いからだ。
要援護者リストの見直しを
要援護者の安否確認、支援の効率化のため、要援護者リストを見直し、再作成するべきだ。
従来の「手上げ方式」の作成方法ではもれが生じるので、市民が作成に参加し、確認することが大事だ。
リストが完成したら、開示して欲しくない人に手を上げてもらい、それ以外は開示するべきである。災害時は強制的に開示できる。
参加者感想
- 報道等では耳にすることができない生の実態がお話の中から伝わり緊張しました。青森での取組みに役立てたい!
- 良かった。想定を考え直すいいきっかけとなる。
- 大変現実的な内容で印象に残った。机上と実情のギャップをいかに埋めるかが重要だと感じた。
- 実体験に基づいた内容であったため、役に立った。支援者名簿作成の重要性を改めて感じた。
- 今現実に起きている事の悲惨な状況を改めて実感しました。私たちにできることはないかと考えさせられました。
- 要援護者の為、福祉避難所を併設する等、具体的・現実的な提案があり、勉強になりました。
- 青田先生の実体験からの講演、感動いたしました。
- 震災等初の県や国の対応や現存の対応等の現状が詳しく分かるものでした。
- 福島での現実を生の声で聞けたことはとてもよかた。
- 体験したことの講演でしたので、説得力があり、興味深く聞くことができました。
- 自分自身の避難の考えているレベルがまだまだ認識が浅いという事と、実体験された方の言葉は重い。
- とても役にたちました。
- 分からないことがいっぱいだった。
- 福島の生の声は説得力が違うと思った。もっとこういう方たちの声をマスコミは伝えていってほしい。多くの人に福島のことを知ってもらいたいし、知るべきであると思う。
- 福島で起きている事は実際体験した福島の方々がお話するのが一番説得力があると思いました。もっと広げて、実情をわかってほしいと思いました。
- 報道されなかった福島、被災地の現状を知りえることができ、災害への考え方や考えねばならないことが広まったと思う。
- 大変良かったです。
- 福島の現在を初めて知ったと思いました。
- ニュースでは聞けない生の現場を見せてもらった様な感じを受けたました。日頃より障害者、老人などの避難弱者にどう対応したら良いのか思っておりました。今回は、後日の日程に参加出来ませんが、この事については多くの人たちと共有しながら取組む事が大切だと思いました。次回、この様なワークショップがあればぜひ参加したいです。
- 今回初めて参加して3年前の震災のことを改めて考えさせられました。まだまだ手の行き届いてない所が沢山あったなと思ったのでこれからも前進して改善できることはしてもらいたいと思いました。
第二部 ワークショップ
「青森市で大規模災害が発生」という設定で、クロスロードゲームを行いました。
クロスロードゲームとは、阪神淡路大震災後、災害時にどう対応するのかを普段から考えられるようにと作られたゲームで、参加者は災害時に考えられる困難な選択にYES、NOで自分の考えを示します。
このゲームには必ずしも正解は無く、「防災を自分自身の問題として考えること」、「人それぞれ意見や価値観が違うことに気づくこと」が目的です。
参加者感想
- 自分の考えと他の人の意見がちがうことに気づき、さまざま考え方があることを知り勉強になりました。
- 大変勉強になりました。
- 原発の恐ろしさ、情報と知識を具体的に知らないといけないと思いました。
- 面白かった。
- 他の方の意見が聞けてよかった。
- 考えさせられました。健常者と障害を持っている方、あるいはその家族の方々の意見が参考になりました。
- 決まった答えのないディスカッションはとても楽しかった。その時の行動を決定するのは、人により、場所により、立場により異なることを平常時からの体制作りの重要性!!再認識した。
- 初めての体験でしたので楽しかったです。
- いろいろな意見があり参考になりました。
- 家族状況で考え方が異なる。
- 自分の意見を上手く伝えられたか分かりませんが、こういった機会に、色々な人の考えを聞くことができて良かったです。又、こういった機会があればいいなと思いました。
テレビ、新聞報道
平成27年1月30日 読売新聞
平成27年2月2日 NHKニュース